会社設立を考え始めると、調べるほど分からなくなりがちです。費用はいくらかかるのか、どんな流れで何を準備すればいいのか、自分でやるべきか専門家に頼むべきか。悩みは尽きません。個人事業からの法人成りでも、これからの起業でも、最初の判断を間違えると設立後の税金や手間で損をしてしまうことがあります。

この記事では、会社設立の費用と流れを、株式会社と合同会社の違いや必要書類、設立後の届出まで含めて整理しました。さらに「0円設立」の本当の意味や、司法書士・税理士など専門家の使い分けも読者目線で解説します。設立そのものだけでなく、設立後の税務や創業融資まで見据えて判断できるようになるはずです。

会社設立で大事なのは「設立後を見据えた設計」をすること

会社設立で本当に大切なのは、登記を終えることそのものより、設立後に損をしない形で会社をつくることです。 資本金・決算月・役員報酬といった最初の設計が、その後の税金や資金繰りに長く影響するからです。

設立時に決めたことは、あとから変えるのに手間や費用がかかります。最初に押さえておきたい設計ポイントは次の3つです。

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設計ポイント設立後への影響
資本金1,000万円以上にすると、設立当初から消費税の納税義務が生じる。許認可の要件や対外的な信用にも関わる
決算月(事業年度)繁忙期と決算・申告が重なると負担が大きい。消費税の免税期間を活かせるかにも影響する
役員報酬設立後の決められた期間内に金額を決める必要があり、原則として期の途中で自由に変えられない

「とりあえず設立する」のではなく、税金や資金繰りまで見通したうえで設計する。それが後悔しない会社づくりの第一歩と言えます。特に個人事業主からの法人成りでは、節税の効果を出すために役員報酬や決算月の設計が重要になります。

会社の形には主に株式会社と合同会社があり、設立費用や特徴が異なります。まずは費用の目安を比べてみましょう。

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比べる点株式会社合同会社
設立費用の目安(法定費用)一般に約18〜25万円一般に約6〜10万円
定款の認証公証役場での認証が必要認証は不要
信用・知名度一般に高く、対外的に分かりやすい株式会社に比べると認知は低め
出資者と経営出資者(株主)と経営者を分けられる出資者が原則そのまま経営する
向いているケース信用や資金調達を重視する、将来の拡大を見込む費用を抑えたい、少人数・スモールスタート

費用の差は小さくありません。とはいえ、安さだけで合同会社を選ぶと、取引先や金融機関からの見え方で後悔することもあるため、設立後の事業計画とあわせて選ぶことが大切です。 株式会社と合同会社のどちらが自社に合うかは、費用・信用・将来の資金調達をあわせて判断しましょう。なお、新設法人の数は近年増加傾向が続いており、法人化は身近な選択肢になっています。

参考:日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」

会社設立の流れは「基本事項の決定→定款→出資→登記」の6ステップ

会社設立の手続きは、おおむね次の6つのステップで進みます。全体像を先に押さえておくと、どこで何が必要かが見えてきます。

  • 会社の基本事項を決める(商号・本店・事業目的・資本金・決算月など)
  • 会社の印鑑を作る
  • 定款を作成する
  • 定款の認証を受ける(株式会社のみ)
  • 資本金を払い込む
  • 法務局へ設立登記を申請する

会社が法律上成立するのは、原則として最後の設立登記を申請した日です。 つまり登記申請日が「会社の誕生日」になります。ただし2026年2月2日以降は、一定の要件を満たす場合に行政機関の休日を会社の設立日として指定できる特例も設けられました。各ステップの内容と注意点を見ていきましょう。

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ステップやることここに注意
①基本事項の決定商号・本店所在地・事業目的・資本金・決算月・役員などを決める事業目的は許認可が必要な業種なら漏れなく記載する
②印鑑の作成会社の実印(代表者印)などを作る登記の際に印鑑届出をするか、オンラインで完結するかを決めておく
③定款の作成会社のルールを定めた定款を作る紙の定款には収入印紙代がかかる。電子定款なら不要になる
④定款の認証公証役場で定款の認証を受ける(株式会社のみ)合同会社は認証が不要。株式会社は認証手数料がかかる
⑤資本金の払込発起人の口座へ資本金を払い込む払込を証明する書類(通帳の写しなど)を準備する
⑥設立登記の申請法務局へ登記を申請する申請日が会社の成立日。窓口・郵送・オンラインから選べる

登記の申請方法は、法務局の窓口へ持参する方法、郵送、オンライン申請から選べます。マイナンバーカードを使えば、自宅から完全オンラインで登記申請を完結させることも可能です。 オンライン申請では電子署名により、印鑑証明書や本人確認証明書といった一部の添付書類の提出が不要になります。一人で設立するなら、添付書面を法務局へ持参せずに済む完全オンライン申請が便利でしょう。ただし株式会社の場合は、公証人の認証を受けた電子定款の添付が必要です。

なお、設立に関連する複数の行政手続を「法人設立ワンストップサービス」でまとめてオンライン申請する方法もあります。

参考:法務局(法務省)「商業・法人登記申請手続」

参考:法務局(法務省)「株式会社の設立登記をしたい方(オンライン申請)」

参考:法務省「一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!」

会社設立の必要書類は「定款・登記申請書・証明書類」が中心

会社設立で準備する書類は数が多く、抜けがあると登記が受理されません。必要書類は大きく「会社のルールを定める書類」「登記を申請する書類」「証明する書類」に分けて考えると整理しやすくなります。

ここでは株式会社を例に、代表的な必要書類をまとめました。会社の機関設計や形態によって、必要なものは増減します。

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書類役割・内容
定款商号・目的・本店・資本金など、会社の基本ルールを定めた書類
設立登記申請書法務局に設立登記を申請するための書類
発起人の決定書本店所在地など、発起人が決めた事項を記した書類
取締役の就任承諾書取締役などに就任することを承諾したことを示す書類
印鑑証明書発起人や取締役本人の実在・本人確認のための書類
払込を証明する書類資本金が払い込まれたことを示す書類(通帳の写しなど)
印鑑届出書会社の実印を法務局に届け出る書類

書類は「どの形態の会社を、どんな機関設計でつくるか」によって変わるため、自社のケースに合った様式を確認することが大切です。 法務局のサイトでは、法人の種別ごとに登記申請書の様式が公開されています。

注意したいのは、就任承諾書や印鑑証明書の有効期限、添付の要否でしょう。オンライン申請で電子署名を使う場合は、一部の証明書の提出が不要になります。準備を始める前に、自分の申請方法に合った必要書類の一覧を確認しておけば、二度手間を防げます。問い合わせや相談をするときは、「自社の機関設計でどの書類が必要になるか」を具体的に確認しておくと安心です。

参考:法務局(法務省)「商業・法人登記申請手続」

会社設立の費用は「法定費用+専門家報酬」で決まる

会社設立にかかるお金は、必ずかかる「法定費用」と、依頼する場合の「専門家報酬」に分かれます。法定費用は会社の形態でほぼ決まり、専門家報酬は依頼先や範囲で変わります。

まず、法定費用の内訳を株式会社と合同会社で比べてみましょう。

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法定費用の項目株式会社合同会社
定款認証手数料必要(資本金等に応じて段階制)不要
定款の収入印紙代紙の定款は4万円/電子定款は不要紙の定款は4万円/電子定款は不要
登録免許税「資本金の額×1000分の7」と15万円の高い方一般に最低6万円
合計の目安一般に約18〜25万円一般に約6〜10万円

株式会社の定款認証手数料は、資本金の額などに応じた段階制です。資本金100万円未満は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、それ以外は5万円が基本になります。 さらに、令和6年(2024年)12月1日からは要件を満たす場合の引下げが導入されました。発起人全員が個人で3人以下、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける、取締役会を置かない、という3つの要件をすべて満たす資本金100万円未満の株式会社なら、認証手数料が1万5,000円になります(要件を満たさない場合は3万円)。

登録免許税は、株式会社の場合「資本金の額×1000分の7」と15万円のいずれか高い額です。資本金が比較的少なければ15万円になります。一方、合同会社は一般に最低6万円とされ、株式会社より法定費用が低く抑えられます。

ここで費用を抑える大きなポイントになるのが電子定款です。紙の定款には収入印紙代4万円がかかりますが、電子定款で申請すればこの4万円が不要になります。 自分で電子定款を作るには専用の機器やソフトが必要なものの、設立支援ツールや専門家を使えば、電子定款での申請がしやすくなります。

注意したいのは、ここまでが設立「時」の費用だという点でしょう。会社を始めると、設立後にもお金がかかります。良い見積りは設立費用だけでなく、設立後のランニングコストまで見えるものです。

参考:日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」

参考:日本公証人連合会「会社の定款認証手数料の改定」

設立後のお金まで見て、専門家の使い方を選ぶ

会社設立には「自分でやる」「設立支援ツールを使う」「専門家に依頼する」という選択肢があります。判断のコツは、設立費用の安さだけでなく、設立後の手続きや顧問まで含めた総額で比べることです。

設立の方法ごとに、向いているケースを整理しました。

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方法費用感・特徴向いているケース
自分で設立する法定費用のみで安い。書類作成と手続きの手間は大きい時間をかけてでも費用を抑えたい人
設立支援ツール(freee・MFなど)書類作成は無料で進められる。電子定款対応で印紙代を抑えやすい会計ソフトも一緒に導入したい人
専門家に依頼する報酬はかかるが、手間が減り、設立後まで相談できる設立後の税務・融資まで任せたい人

ここで読者目線で押さえておきたいのが、「0円設立」「無料設立」の本当の意味です。

「0円・無料設立」の裏側を読者目線で確認する

「無料」とうたわれていても、法定費用そのものが0円になるわけではない点に注意が必要です。 登録免許税などの法定費用は、どの方法でも原則かかります。

freee会社設立やマネーフォワード会社設立といった設立支援ツールは、書類作成自体は無料で進められます。ただし、電子定款作成の事務手数料(一般に5,000円程度)を無料にするには、会計ソフトの契約が前提になるのが一般的です。つまり「設立サービス無料」の条件として、会計ソフトの有料プラン契約が必要になるケースが多いということです。 同じように、税理士による「設立0円」も、顧問契約を結ぶことが前提になっていることがあります。

これは悪いことではありません。設立後に会計ソフトや顧問が必要なら、むしろ合理的な選び方になり得ます。大切なのは、「設立費用」だけを見て選ぶのではなく、設立後にかかる費用まで含めた総額で損得を判断することでしょう。確認するときは、「無料の条件は何か」「会計ソフトや顧問契約の費用は月いくらか」を具体的に聞くとよいでしょう。

司法書士・税理士・行政書士・社労士の役割を整理する

専門家に頼む場合、誰に何を頼めるかが分かりにくいものです。会社設立に関わる専門家は役割が法律で分かれており、目的に合わせて使い分けます。

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専門家主な役割会社設立での関わり
司法書士登記の専門家設立登記の申請代理(登記の代理は司法書士の業務)
税理士税務・会計の専門家法人税務・節税相談・税務の届出・顧問
行政書士許認可手続の専門家営業に必要な許認可申請
社会保険労務士労務・社会保険の専門家社会保険・労働保険の手続き

登記の申請代理は司法書士の業務であり、税務の相談や届出は税理士の業務です。 どこに最初に相談すべきか迷ったら、設立後の税務顧問まで見据えているかで考えると整理しやすくなります。設立後に税務顧問が必要なら、税理士を起点にするのが効率的でしょう。税理士が連携する司法書士へ登記を、必要に応じて行政書士や社労士へ手続きをつないでくれることが多く、窓口を一本化できます。設立だけを最も安く済ませたいなら、司法書士へ登記だけを依頼する選び方もあります。

問い合わせのときは、「設立後の税務の届出や創業融資、節税まで一緒に伴走してくれるか」「電子定款に対応しているか」を確認しておくと、依頼の範囲がはっきりします。

参考:法務局(法務省)「商業・法人登記申請手続」

会社設立後の手続きは「税務署・年金事務所」などへ期限内に

会社は設立登記で終わりではありません。設立後にも複数の役所へ届出が必要で、それぞれに期限があります。 期限を過ぎると、税制上の特典を受けられないなどの不利益が生じることがあります。

設立後の主な届出と提出先を整理しました。

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提出先主な届出期限の目安
税務署法人設立届出書設立の日(設立登記の日)以後2か月以内
税務署青色申告の承認申請書設立後3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日まで
都道府県・市区町村法人設立届(地方税)自治体の定める期限まで
年金事務所健康保険・厚生年金保険 新規適用届事実発生から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク労働保険・雇用保険の手続き従業員を雇う場合に届出

法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内に、納税地の所轄税務署へ提出します。 e-Taxまたは書面で提出でき、法人として税金を納めていくための基本の届出になります。

節税で重要なのが青色申告です。青色申告の承認を受けるには、「設立の日以後3か月を経過した日」と「設立第1期の事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日までに、承認申請書を提出しなければなりません。この期限を逃すと第1期から青色申告ができず、欠損金の繰越などの特典を使えなくなるため注意が必要です。

社会保険の手続きも期限が短く設定されています。法人は健康保険・厚生年金保険の加入が必要で、新規適用届は事実発生から5日以内に提出します。提出の際は、発行から90日以内の登記簿謄本などの添付が求められます。

設立後は届出が立て込み、期限切れが起こりがちです。設立前から「いつ・どこへ・何を出すか」をスケジュール化しておくと、特典の取りこぼしを防げます。 あわせて、自社の法人番号は法人番号公表サイトで確認できます。

参考:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」

参考:日本年金機構「新規適用の手続き」

参考:国税庁「法人番号公表サイト」

資本金は「消費税・許認可・信用」の3つの観点で決める

資本金は1円からでも会社をつくれますが、金額の決め方で設立後の税金や信用が変わります。資本金は「最低限あればいい」ではなく、複数の観点から戦略的に決めるべき項目です。

資本金を決めるときに見るべき観点を整理しました。

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観点資本金の決め方への影響
消費税設立当初の資本金が1,000万円以上だと、設立当初から消費税の納税義務が生じる
許認可業種によっては一定額以上の資本金が要件になることがある
対外的な信用取引先・金融機関から見て、極端に少ないと不安に思われることがある
登録免許税株式会社は「資本金の額×1000分の7」が15万円を超えると、登録免許税が増える

特に見落としやすいのが消費税です。新設法人は原則として設立から一定期間、消費税の納税義務が免除されますが、事業年度開始時の資本金が1,000万円以上の場合はこの免除が受けられません。 基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることが免税の基本ですが、資本金1,000万円以上の新設法人は例外として免除の対象外になります。

つまり、信用を意識して資本金を1,000万円ちょうどにすると、設立当初から消費税の納税義務が生じて損をしかねません。「信用のために増やす」と「消費税の免税を活かす」は、ときに相反するため、自社の売上見込みとあわせて判断することが大切です。 一般に、当面の運転資金をまかなえる金額を基準にしつつ、消費税や許認可の要件を確認して決めると、バランスを取りやすくなります。

参考:国税庁「No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき」

法人化のタイミングは「目安」で判断せず、総額で見極める

個人事業主が法人化(法人成り)すべきか迷ったとき、よく語られる目安があります。ただし、目安はあくまで入口であり、最終判断は設立後の総額で行うことが大切です。

法人化の検討でよく挙がる目安と、注意点を整理しました。

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よく聞く目安読者として注意したい点
所得が800万円を超えたらあくまで目安。役員報酬や経費の取り方で損得は変わる
課税売上高が1,000万円を超えたら消費税の課税が視野に入るが、免税期間の活用とセットで考える
社会的信用を高めたいとき信用は上がるが、社会保険料などの負担も増える

法人化には、所得の分散による節税や、消費税の免税期間を活かせるといったメリットがあります。一方で、会社をつくると赤字でも法人住民税の均等割(一般に最低約7万円)がかかり、社会保険の会社負担や、税理士に依頼する場合の顧問料といったランニングコストも生じます。

そのため、「所得800万円を超えたから法人化」と単純に決めるのは禁物でしょう。節税で減る税額と、増えるコストを並べて比べることが欠かせません。判断に迷うときは、法人化前後の手取りを試算する節税シミュレーションで、自社のケースの損得を具体的に確かめるのが確実です。 消費税の免税期間をいつから活かすかによっても、設立のタイミングは変わります。なお、ここで挙げた目安や均等割の金額は一般的なもので、個別の状況によって異なります。

参考:国税庁「No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき」

会社設立後に多い後悔と、その防ぎ方を先回りで押さえる

会社設立は一度きりの手続きが多く、後から「こうすればよかった」と気づきがちです。よくある後悔の多くは、設立前に知っていれば防げるものです。

設立でありがちな失敗と、防ぎ方を整理しました。

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よくある後悔起きる原因防ぎ方
思っていた会社形態と違った費用の安さだけで合同会社を選んだ信用・資金調達まで含めて株式会社と比べる
設立当初から消費税がかかった資本金を1,000万円以上にした消費税の免税を意識して資本金を設計する
青色申告ができなかった承認申請書の提出期限を過ぎた設立後の届出期限を一覧にして管理する
決算が繁忙期と重なった決算月を深く考えず決めた事業の繁忙期を避けて決算月を設定する
社会保険の手続きが遅れた設立後の届出を把握していなかった設立前に提出先と期限を洗い出しておく

どれも「設立を急いで、設立後を考えなかった」ときに起こりがちです。 設立費用や手続きの速さだけでなく、設立後の税金・届出まで見据えて準備すれば、こうした後悔は避けられます。

設立と同時に進めたいのが資金調達です。創業時には、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」が利用できます。対象は新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方で、設立の段取りと並行して融資を準備すると、開業直後の資金繰りが安定しやすくなります。 融資には事業計画の準備が必要ですから、設立の早い段階から相談しておくと進めやすいでしょう。

参考:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

【チェックリスト】会社設立の前に確認したいこと

ここまでのポイントは、設立前の確認にそのまま使えます。迷ったら、次の領域ごとに点検すると、抜け漏れなく準備できます。

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領域見るポイント
形態の選択株式会社か合同会社か、信用・費用・将来の資金調達で判断したか
基本事項の設計資本金・決算月・役員報酬を、設立後を見据えて決めたか
費用の把握法定費用に加え、設立後のランニングコストまで見積もったか
手続きの段取り設立後の届出と期限を一覧にして把握したか
専門家・資金調達依頼先の役割と、創業融資の準備を確認したか

設立前に、自社のケースで次の項目を点検してみてください。

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領域チェック項目確認
形態の選択株式会社・合同会社の費用と信用を比べて選んだか
基本事項の設計資本金を消費税・許認可・信用の観点で決めたか
基本事項の設計決算月を繁忙期と重ならないように設定したか
基本事項の設計役員報酬を決める期限と金額を確認したか
費用の把握電子定款で印紙代を抑えられるか確認したか
費用の把握法人住民税の均等割など設立後の固定費を把握したか
手続きの段取り法人設立届出書を2か月以内に出す段取りがあるか
手続きの段取り青色申告の承認申請を期限内に出す準備があるか
手続きの段取り社会保険の新規適用届を5日以内に出せるか
専門家・資金調達登記・税務・許認可・社保の依頼先を整理したか
専門家・資金調達「無料設立」の条件(ソフト契約・顧問前提)を確認したか
専門家・資金調達創業融資の利用と事業計画の準備を進めているか

チェックリストの内容は、相談時に専門家へそのまま確認すると、より確実になります。 見積りや説明が、設立費用だけでなく設立後まで含んでいるかを見ておきましょう。

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まとめ

会社設立では、登記を終えることそのものより、資本金・決算月・役員報酬といった「設立後を見据えた設計」が大切です。費用は株式会社で一般に約18〜25万円、合同会社で一般に約6〜10万円が目安で、電子定款を使えば印紙代4万円を抑えられます。設立後には税務署や年金事務所への届出が期限付きであり、青色申告や消費税免税の取りこぼしを防ぐ準備が欠かせません。「0円設立」の条件や、司法書士・税理士など専門家の役割を読者目線で見極め、総額で損のない進め方を選びましょう。

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